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L'espalier

ボストン旅行最後の夜は、マンダリンオリエンタルホテル内にある私が大好きなレストラン、L'espalierで締めくくりでした。
このレストランはモダン・ニューイングランド・フレンチを出す少し珍しいレストランで、ボストンのフレンチレストランで3本の指に入るレストランです。ボストン近郊で獲れる新鮮な魚介類や、オーガニック農場の野菜をフランス料理の手法で提供しています。
オーナー兼シェフのFrank McClelland氏は2007年のJames Beard Foundation Award(レストラン界のオスカー賞と言われている授賞式)でNortheast部門で最優秀賞を受賞されています。

レストランのホームページ。素敵なデザインですよね。私は時々ブログも拝読しています。
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レストラン外観はこちらの通りです。
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レストラン内部はいくつかのお部屋に分かれているのですが、私たちはこのライブラリールームへ通されました。「ボストンらしい」お部屋ですよね。
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私たちはSummer Prifix Fixeにしました。お1人90ドルです。

アペタイザーが2つついてきます。
こちらはメキシカンテイストのツナのタルタルソースです。緑のソースはワカモレに似ているアボガドソースです。
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お次はボストン近郊の農場で採れた野菜のピクルスです。
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いよいよFirst Courseです。
Maine scallop cru with gazpacho flavors, young basil and lemon balm sorbetです。
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これはカルパッチョのようなもので、メーン州で採れたホタテがメインとなっています。それに薄くカットされたきゅうりとガスパチョ(スペインのトマト味のスープ)をベースにしたドレッシング、レモンシャーベットが添えられたひと皿です。
写真を見て、トマトのガスパチョなのに赤くないと思われるかもしれないですが、赤いスープになるのはトマトの果肉も一緒にソースにした時で、果肉を完全に濾過して10時間抽出したエキスは透明です。でもしっかりとトマトの味は残り、りんごを思い出させるフルーティーさも兼ね備えた、スープになります。
素材が紙のように薄く切られていたので、トマトスープの味がしっかりとホタテに染み込んでいました。
それに帆立貝の上にレモンシャーベットを飾るのも上手いディスプレイですよね。
見ても食べても涼しくなる1品でした。

Main CourseはAshed veal tenderloin with roasted tomato, warm Fiore di Nonno burrata, white anchovies, and garlic puréeでした。
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仔牛のテンダーローインは炭火焼になっていて、とても香ばしかったです。炭火焼というと焼き目が美しくなく、見た目があまりよくないことが多いですが、美しく仕上げているのはさすが、L'espalierです。
それに白いアンチョビのおかげで後味がとてもさっぱりでした。このアンチョビは自家製だと思いますが、酸っぱすぎず適度の塩加減がきいていて、とても美味しかったです。

これにデザートと飲み物がついています。
写真だけだと量が少なめと思われるかもしれないですが、これに自家製のパンがいくつもついてくるので、ちょうどお腹は満たされるくらいの分量だと思います。

このコースは90ドルでとても高いですが、上記のようにビジュアルが完璧でとても美味しく、かつ丁寧に作られているフレンチであるので、一概に「高い」と言えないのではないかなとも思います。
10時間~1日かけてシェフが作り上げるソースや完璧な生産管理を考えると、妥当もしくは安いのではないかとも思ってしまいます。
時々の贅沢として、いいですよね!

L'espalierのホームページから抜粋ですが、ここで使われている野菜は下記の農場から取り寄せられているようです。


WE ARE PROUD TO WORK WITH THE FOLLOWING
FARMS AND PURVEYORS:
・Apple Street Farm, Essex, MA
・Archer Angus Farms, Chesterville, ME
・Browne Trading Company, Portland, ME
・Consider Bardwell Farm, Pawlet, VT
・George Howell Coffee, Acton, MA
・High Lawn Farm, Lee, MA
・Hudson Valley Foie Gras, Ferndale, NY
・Island Creek Oysters, Duxbury, MA
・Jasper Hill Farm, Greensboro, VT
・Lovejoy Brook Farm, Andover, VT
・Lobster on the Fly, Casco Bay, ME
・Pineland Farms, New Gloucester, ME
・River Rise Farm, Marshfield, MA
・Rockdale Farms, Jonesport ME
・Shy Brothers’ Farm, Westport, MA
・Vermont Butter & Cheese Creamery, Websterville, VT
・Veta La Palma Estate, Guadalquivir River, Spain
・Westport Rivers Winery, Westport, MA
・Woodcock Farms, Weston, VT

1つを除き、全て地元産ですね。

最後にもう一つオススメなのは、このレストランの紅茶です。
気軽にこちらを試されたければ、ここのカフェに行ってみるのもいいかなと思います。
正当な方法で紅茶を淹れているため、とてもまろやかで、今まで飲んでいた紅茶とは全然違うものを感じられると思います。お土産にも購入できます。

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L'ESPALIER
774 Boylston Street Boston, MA 02199
Lunch: Monday - Friday, 11:30am - 2:30pm
Saturday & Sunday 12 noon - 1:45pm
Dinner: Daily 5:30-10:30pm
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by kanagourmet | 2012-07-19 02:32

ボストン美術館

ボストン旅行日記第4弾です。(第5弾で終わりとなります。)
今回はボストン美術館のご紹介です。私が行った日は1日中曇で、こんな日は鑑賞日和です。

ここは1870年に地元の有志によって設立され、アメリカ独立100周年の1876年に開館しました。
通常世界の有名な美術館は王室コレクションが基本となっていることがほとんどですが、この美術館はニューヨークのメトロポリタン美術館と同じく、民間組織の美術館です。

外観
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サージェント作のRotunda(ドームがついている円形の建物)
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こちらもサージェント作のColonnade(列柱)です。
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ジョン・シンガー・サージェント(1856-1925)はアメリカ国籍で、主にフランスとイギリスで活動した印象派に属する肖像画家です。他にはハーバード大学のワイドナー図書館やボストン図書館の壁画を描きました。
ボストン美術館には珍しいサージェントの建物画もありました。
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John Singer Sargent
Corner of the Church of San Stae, Venice
これはヴェニスの運河に浮かぶゴンドラから教会を眺めた風景を絵画に収めています。彼はベネチアの壮大な教会の建築様式を浮き立たせるために、敢えて教会の一部を切り取り、白と赤の壁面のコントラストも描いています。

この美術館はアメリカ印象派の絵画も充実しています。
南北戦争後、新興国アメリカでは自国の経済力にふさわしい文化を取り入れようと、多くの富豪がヨーロッパ絵画を買い集めました。そして1850年代フランスで開花した印象派の絵画がアメリカに渡り、アメリカ人画家もフランスで修行を行うようになり、帰国後アメリカ印象派が確立されました。
その代表的な作品がこの美術館に所蔵されています。

一番有名な絵画はこちらで、ボストン美術館を象徴する絵画と言っていいほどです。
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Childe Hassam
Boston Common Twilight, 1885
この絵画はボストンで最も古い公園であるボストンコモンを描いたものです。印象派の画家であったハッサムは人々の日常を描くのを得意としていました。真冬の夕方の高級住宅地に佇む婦人とその子供、その後ろには帰宅時で混雑した路面電車が通り過ぎていきます。そして赤色の電灯がその光景を濛々と照らしています。絵を間近で見ていると、本当にその場所に自分が佇んでいるようです。

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Frederic Porter Vinton
La BLanchisseuse, 1890
19世紀後半フランスの印象画家の間で家事を行う女性を描くのが流行りました。ヴィントンもその影響下でこの絵を描かれたと思われます。
木の緑と、光、水の流れが点描で描かれていますが、臨場感があり、洗濯している音が聞こえてきそうですよね。

印象派といえばフランスのみかと思っていましたが、アメリカの絵画にも印象派が大きな影響をもたらしていたことがわかりました。後でわかったことですが、黒田清輝らの日本の画家もフランス印象派の影響を受けているとのことです。印象派とは絵画史上の改革であったのだと思いました。

美術館内にはフランスのサロン(応接室)を模した部屋もありました。
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そして鑑賞し疲れたら、美術館内のレストランでランチしながら休憩です。
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こんな広々とした空間でランチを食べられるなんて、優雅です。
この日はとっておきのディナーの予定だったので、ランチは控えめにサラダだけです。
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ドレッシングが控えめな味で、素材の味が生きていて、とても美味しかったです。

ボストン美術館は急げば半日で鑑賞できます。
でもせっかくここまで来たのなら、ランチをしたりミュージアムショップなども観ながら1日ゆっくりと過ごすのが理想だと思います。
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by kanagourmet | 2012-07-18 11:22

メアリー・ベイカー・エディーライブラリー

今回は、ボストンダウンタウンにある、美しくて素敵な物語を持つ図書館のご紹介です。
この中にあるMappariumを一度観てみたくて訪れてみました。結果として、Mappariumの美しさはもちろんのこと、Mrs. Mary Baker Eddyという人にも魅せられることになりました。

ライブラリーの入口です。
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ここは1879年にクリスチャン・サイエンス教会を設立したMrs. Mary Baker Eddyの偉業を称え、彼女の活動を現在に伝えている図書館です。

内部はとても美しく、ホールは新古典様式(※)です。
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※18世紀~19世紀にフランスを中心に流行した様式。それまでの豪奢なバロック、ロココ様式からの反動で古典の再評価を図ったもの。直線が多用されている。

Mapparium内部はこのようになっています。ここに入場するのに$4かかり、その他の図書館内部は全て閲覧は無料となっています。
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Mapparium内は撮影禁止なので、こちらは公式サイトよりいただきました。
ここはMappariumが建てられた1935年当時の世界地図をモチーフにしたドーム型の施設で、今はなきソビエト連邦や英仏蘭領だった頃のアフリカが描かれています。
真っ青で大きい地球儀の中に入って、当時の世界情勢などについて10分ほど解説を聞きます。
全然知らない国や島が描かれていて、初めて知った場所がたくさんあって世界は広いなと改めて思える機会でした。壮大な地球儀は一見の価値はあると思います。

そしてせっかく来たのだから、Mrs. Mary Baker Eddyの偉業について史料を読んでみたいと思いました。
ガイドブックには彼女の説明は「A New England woman who defined conventional 19th-century thinking to become an influential religious leader, publisher, teacher and businesswoman」と書かれていました。
これを見て、じっくり史料をみないわけには行きません!私は女性のサクセスストーリーを読むのが昔から好きでした(笑)

Mrs. Mary Baker Eddy
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Mrs. Mary Baker Eddyは生まれながらにして体の弱い女の子で、様々な家庭の医学のような療法を試したのですが、なかなか良くりませんでした。そんな時、聖書に書かれた原始キリスト教の癒しの記述に強い興味を抱き、信仰による癒しについて研究を始めました。
45歳の時、彼女は石に頭を強くぶつけてしまうのですが、自説の治癒法を試し、驚く程の回復を遂げます。
これをきっかけにして彼女は聖書研究会を立ち上げました。
この教えとは全ての病気の原因は心的なものであり、人間の病気の本質は心の中の虚偽とか幻想から起るとし、真実の信仰に目覚めればあらゆる病気は薬も手術もなしに治癒するというものです。

この教えは当時のアメリカで瞬く間に信仰者を増やし、彼女は宗教的なリーダー、作家、教師、職業人として活躍をしました。

彼女の演説の様子。
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現在も世界各地で彼女の教えは語り継がれていて、支教会があり、日本では東京と京都にあるそうです。

私は宗教のことは詳しくないのですが、彼女の伝記から教えられる物は多いのではないかと思います。
彼女が生きていた19世紀後半はまだまだアメリカでも女性の権利は低く、差別的なものも残っていたと思います。それに病弱という障害もありました。
しかし、「女性」「病弱」という2つのハンデを自分の強みに変えて、女性ならではの観点で病弱な人の立場に立って、新しい信仰の道を切り開いたところがすごいなと思います。
さらにその教えが現在でも信仰され続ける、一種の持続可能性的な視点も持ち合わせていたのも尊敬するところです。

私はニューヨークで働き、毎日会社のことや目の前の自分の課題に精一杯ですが、時々こうして偉人の伝記に触れてみると、人の人生というものを鳥瞰的に見られるような気がします。
「こんな生き方もあるんだな」と教えられることが多いです。

図書館の閉館時間が迫ってきてしまったので、図書館をあとにすることにしましたが、エントランスのすぐ横にはクリスチャン・サイエンスの総本山であるThe First Church of Christ, Scientistがありました。

すごく大きい教会でした。
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この図書館を訪れて、Mrs. Mary Baker Eddyという人の伝記を勉強する機会があり、私もちょっと一肌脱ごうかなと思えたのでした(笑)。
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by kanagourmet | 2012-07-11 13:29