ジャマイカ スラム地帯を行く

ニューヨークに戻ってきて普通の毎日を送っていますが、1週間前は自分がジャマイカにいたことが信じられません。
あまりにもニューヨークや今まで見てきた風景とはいい意味でも悪い意味でも異なっていたので・・・

ジャマイカンリゾートの敷地外に出れば、日本人であれば誰もが驚く風景が広がっています。
その光景を一度目にしてしまうと、今自分がいるリゾートが外国人によって作られた「天空の彼方の虚城」と思えてきます。

今日の日記ではスラム街の一部をご紹介します。

リゾートホテルはどれも高い金網で囲われており、そこを1歩出るともうそこはスラムの世界です。
この金網はパスポートのいらない「国境」です。
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優雅にジャマイカンラムを飲めて、左うちわの楽園リゾートからたった1分海岸を歩くだけで、この有様です。
彼らの敷地に入るとすぐに「一緒にタバコ吸わない?」「気持ちよくなれる薬があるよ」と声をかけられます。
「タバコ」や「気持ちよくなれる薬」とは何を指すかわかりますよね。誘拐にあってもおかしくない状況だと思いました。
私はすぐに退散です。滞在時間は2分でした。

ホテルでは地元のジャマイカ人の方と仲良くなって、彼らがどこか案内してくれるというので、地元の人がいれば安全かもしれないと思って友達と相談して、合計4人でダウンタウンに繰り出してみることにしました。
「バックパッカーの血が騒ぐ」といったところです。

ここでもびっくりな風景が広がっていました。

まずはダウンタウンに向かう途中にある観光客向けのお土産屋さんです。
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誰も観光客がいないので、やる気がないのか、おばさんたちはゲームに熱中しています。
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私の後ろにいたジャマイカ人の友人は「クスリ臭くて、歩いていられない」と言っています。
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スラム街とも言える、彼らの居住区
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こちらも早めに退散です。

そして相乗りタクシーに乗ってモンテゴ・ベイのダウンタウンに到着しました。
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キャー!!警官による誤射も多いと聞きました。
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ジャマイカ人の友人が髪を切りたいというので、床屋に付き合いました。黒人で100%占める美容院に行くことなんてもうないかなと思います。私たちから見ていると衛生状態が良くなくて、大丈夫なのかなと心配になりました。例えばカミソリは使い回しです。
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女学生たち
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市場です。
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こちらはなんだと思いますか?日用品の「お店」なんです。日本で言えば「マツキヨ」みたいなものです。略奪強盗が多いので、まるで病院の窓のように客と店員は防弾ガラスで隔てられ、客が注文して店員が奥からものをとってくるというシステムになっています。d0235123_1334571.jpg
夕方の帰宅ラッシュなので、街がとても混んでいます。道も悪いし信号もほとんどないのでまっすぐ歩くことができません。歩くのに非常に体力を消耗します。(慣れの問題だと思いますが。)

まるで左うちわのリゾートから中央アフリカのスラム街にどこでもドアで一瞬のうちに行ってしまった。そんな感覚に陥ります。
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ダウンタウン探訪記も2時間ほどで終了です。
そしてまた乗合タクシーでホテルへと戻るのでした。
絶対私達だけでは行けなかった、ダウンタウン。案内してくれたジャマイカ人の友人にはとても感謝です(^_^)

この写真を見てリゾートとの大きなギャップに皆様も驚かれたことと思います。
私はショックを受けました。

今まで北アフリカから、ヨーロッパ、アジア、中南米と様々な地をバックパッカーしてきたのですが、今までにないくらい危険を感じる場所でした。
どこの国のダウンタウンに行っても、必ず旅行者らしき人やバックパッカーの宿があるものですが、このモンテゴ・ベイのダウンタウンは全く見かけることはなく、黒人の中にアジア人の女性2人が歩いているという大変異様な光景でした。
旅行ができるほど安全な場所ではありません。

そういえば1人、ここに永住していると思われる中国人らしき年配の女性とすれ違ったのですが、お互い「えっ!?アジア人だよね??」なんて、それだけで会話が成立する状況でした(苦笑)。
それにしても彼女はなんでここに1人で住んでいるのでしょう。不思議なものです。

ところで、ここまで危険だと思わなかったジャマイカ。
ちょっと調べてみたところ、驚くべきデーターを発見しました。
こちらは国連の麻薬と犯罪防止組織(United Nations Office on Drugs and Crime)が2012年に発表したデータで、各国の国民10万人に占める殺人事件発生率を調べたものです。
List of countries by intentional homicide rate
中南米のホンデュラスがワースト1となり、殺人発生指数はなんと91.6です。そしてジャマイカはワースト6で40.9です。日本はアイスランドに次ぐベスト6となっており、指数は0.4です。ニュースを見ていると日本でも殺人事件は頻繁に起こっている気がしますが、それでもこの数値です。
となると秋田県ほどの広さしかないジャマイカでその100倍以上というのは驚異の数値であります。

さらにGDP(PPP) per capitaを調べてみました。これは国民1人当たりの国内総生産(国内で生み出された付加価値の総額)を示す指標です。通常国の豊かさを示すのに単にGDPが用いいられますが、これは各国で異なるリビングコストが反映されていません。そのため、PPP(購買力平価)を用いて計算したGDPを国民数で割り出したこの指標が用いられます。
List of countries by GDP (PPP) per capita(conducted by CIA, The World Factbook 2013.05)
これによるとジャマイカは229カ国中123位で$9,300となっています。
対して日本は38位で$36,900とその約4倍です。
さらにアメリカは14位で$50,700です。

この2つの指標で考えたことは、ニューヨークにいるジャマイカ移民についてでした。
往路のカリビアン航空で、モンテゴ・ベイに到着して拍手喝采をしていた人たちです。

彼らはニューヨークでも危険度が高く比較的所得が低いと言われているブロンクス地区やハーレム地区に身を寄せ合って住んでいて、3Kの仕事(危険、汚い、きつい)に就いているわけですが、彼らが我慢して出稼ぎに来る理由もこの指標でひと目でわかります。

故郷より安全だし、何よりもアメリカで働いたほうが圧倒的に儲かるんですね。感覚的にですが、アメリカとジャマイカの物価を比較すると大体10倍は違います。しかも母国語の英語で生活できるわけですから、それは無理してでも飛行機3時間乗ってアメリカに来た方が得なのです。
彼らにとってみればアメリカは「夢の国」なのかもしれません。

いつも街や電車の中で見かけるジャマイカや中南米から出稼ぎに来ている人たちのことを少しだけですが知ることができたし、彼らの笑顔の奥にあるものはこういうことだったのだと思いました。

ところで、前編・後編とジャマイカ旅行について綴ってきたわけですが、この天と地ほどの差をお分かりいただけたと思います。
旅行代金を払っているのだから私には「Eat, Play, Dance」の資格はあるのですが、何となくジャマイカの実情を分からず、呑気に旅して「ジャマイカを知った気分」になって、「ジャマイカって楽しくていいところ!」なんて言ってしまうのも悪いなと思うのが旅行後の感想でした。

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by kanagourmet | 2013-06-17 02:15