ローアーイーストサイド散歩日記
ローアーイーストはかつては移民が多く住んでいた地域で、各国の文化が色濃くミックスしている場所で、こここそまさに「コスモポリタンな街、ニューヨーク」らしい場所なのではないかと思います。
ローアーイーストはとても広いので1日でコンパクトには中々観光できません。
そのためまずはOrchard StにあるVisitor Centerに立ち寄っておすすめの場所をスタッフの方に聞いてからスタートとなります。ここではタイプ別ローアーイーストの楽しみ方を色々教えてくれますし、パンフレットもとても充実しています。
お話を聞いてみてこの日の主なテーマはローアーイーストのギャラリーを散策することにしました。
テーマが決まったところでまずは腹ごしらえです。
このレストラン、私がマンハッタンで一番好きなレストランなんです!!実は最近は週1で通うほどの熱心ぶりです(笑)
Yerba Buena
カウンターに座っているのがオーナーのカルロス氏です。このお店はキューバ系アメリカ人の友達に連れてきてもらって初めて知ったのですが、ラテンフュージョンアメリカンです。
今日食べたのはフィッシュタコスです。
めちゃくちゃ美味しい!!!(すみません、お下品な言い方ですね。でもそれくらい美味しくて感動しました。笑)
カリっと揚げられた白身魚に中南米ならではのスパイシーなソースが添えられていて、シレントロ(パクチー)とライムが味のアクセントとなっています。ライスもよくありがちなケチャップライスではなくてきちんとフィッシュブロスで煮込んだ味がします。
そして是非カクテルも試されてみてください!
一番人気なのがPoquito Picanteです。
ジンベースのカクテルで、きゅうりとシレントロのピュレ、そしてライムがミックスされています。ちょっと強いかもしれませんが・・・。このカクテルはハラペーニョが少し入っているので、驚くことに辛いです。珍しい味ですが、ヒットする人は癖になってしまうと思います!
ただ唯一の難点は店内がとても騒々しいということです。ラティーノのお店で静かである訳はないのですが、バーテンの方もちょっと踊りながらカクテルを作ってくれる・・・という状況です(笑)。友達とゆっくり話せる場所ではないので、いつも1人で行って、ラティーノの雰囲気を楽しんでいます。
ここのカウンターで今日のコースを考えていました。
ギャラリー中心ということで私が考えたのが下記の赤線のルートです。
ローアーイーストはあまり有名ではないですがギャラリーがとても多いです。それがOrchard Stに集中しているので、それらをゆっくり見て、あとはこの地域の文化も見てみたいと思い、ユダヤ教のシナゴーグ(教会のようなもの)とEssex Food Marketは少々ルートから外れますが、行ってみることにしました。
まずはシナゴークを見にEldridge Stへ。
南に行き、チャイナタウンに近づくに従って街並みは中国になっていきます。一見ニューヨークではないみたいです。
すると、突然周囲とは一線を画す教会がお目見えします。これが有名なシナゴーグです。
Museum at Eldridge Street
ここは現在「美術館」となっており、ユダヤ人だけではなく移民としてニューヨークにやってきた人たちの活動を奨励するイベントやワークショップを開催されているそうです。このシナゴークは1887年に東欧より移民してきたユダヤ人たちによって建てられました。その頃の東欧といえばユダヤ人差別が激しくなってきた頃で、20世紀になってやがてそれは迫害(ホロコースト)にまで発展してしまいます。当時の状況は「アンネの日記」などの本でわかりますね。
危機を感じた多くのユダヤ人はその頃新境地であったアメリカに多く移民として流れてきました。移民たちがまずはじめに目にするアメリカはニューヨークのハドソン川に浮かぶエリス島でした。ここにはかつて移民局があり、そこで移民申請を受理されたら住み始めるのはこのローアーイーストだったと言われています。
ご参考までに・・・(^_^)
エリス島で考えるアメリカ移民史とアメリカンドリーム
テネメント・ミュージアムで考える移民史
テネメント・ミュージアムはローアーイーストを象徴する博物館です。ここは移民たちが住んでいた住居を改装し博物館としており、当時の移民たちの生活が垣間見れます。アメリカ人にとっては自分たちのルーツをたどることができるので、こういった移民系の文化史跡はとても人気があります。
話はシナゴーグに戻ります。
このシナゴーグの2階は本堂となっており、外観からは想像がつかないくらい非常に美しい建築が施されています。
シナゴーグの方のお話によると、これはムーア式(13-16世紀にスペインを征服したイスラム教徒)を彷彿とさせるロマネスク様式とゴシック様式が混合された建築とのことです。確かにイスラム教徒のモスクにも若干似ているような気もしました。
2008年には雑誌”The New Yorker”でニューヨークのベスト建築物に選ばれたそうです。
ガイドブックにも載っていないような目立たないシナゴーグであるため、内部は私しかいませんでした。
ローアーイーストの穴場ですね。
さて、シナゴーグはこのくらいにしておいて、次からはOrchard St沿いのギャラリーツアーです。
Woodward Gallery
Deborah Claxton, "Silent Witness"
こちらはなんと繊細に色紙を切り込んで作られた切り絵です。ビルの壁に当たる陽の光が美しく表現されています
Lucy Wilner, "Life on Earth"
この絵は自分としてインスピレーションを感じる絵でした。透明の四方形のガラスに入ったそれぞれの世界があり、1つはマンハッタンでもう1つはマンハッタンとは異なる世界です。
1羽の若い鳥がマンハッタンを羨望の眼差しで眺めており、その後ろには目を背けている鳥2羽がいます。
私なりの解釈としてはアメリカで頑張っていきたいと意気込む人の勇姿とその人の足を引っ張る村社会の仲間たちに見えてしまいました。なんだか色々同感できる部分がありました。
ぼーっと絵画鑑賞に耽っていると奥の部屋から「ワンワン!!」と聞こえたので覗いてみると、チャイニーズ・シャーペイのワンちゃんが机の下に隠れていました(^_^)
こんなオブジェも。
額縁を破る額縁です。既存の概念を突き破る思考をオブジェで表現されているように思いました。この表現方法は面白いです!!
この日は全部で7つのギャラリーを見学しました。全てが小さいのでそれぞれ10分程度で見て回れます。これらのギャラリーは全部企画展扱いであり、期間限定で作品が展示されています。ギャラリーの個性によって展示されている絵画やオブジェが全く異なるので、ギャラリーホッピングはとても楽しいです。
Essex Stに差し掛かったところで、ファッション誌の撮影現場に遭遇しました。
2人ともお人形さんみたいです。
Essex Stには有名なグローサリーストアがあります。Essex Street Marketです。
ここは20もの独立した個人商店が集まるマーケットで、ローアーイーストサイドの胃袋として機能しています。
設立されたのは今から約70年前で、当時このあたりにひしめいていた屋台が自動車の交通渋滞の原因となったため、市長の発案により屋台を屋内の1か所に集約したのがはじまりです。近年になりスーパーマーケットの興隆のため個人商店が不人気となり、集客が非常に困難になってしまったのですが、New York City Economic Development Corporationの傘下に入ることにより経営を持ち直したそうです。現在はローアーイーストに富裕層が移り住んできたことによる効果で高価な嗜好品の取扱で成功を収めています。
こちらは北欧の燻製製品を扱うお店です。
歩き疲れたころには中華のおかゆ専門店を見つけたので、こちらに入り早めの夕食を取りました。この海鮮粥はなんと$4.5でした。だしがきいていておいしい~
Congee Village
お粥でお腹が満たされた後は、チャイナタウンにある足つぼマッサージ店に行きました。
1時間のコースで途中で寝てしまうほどリラックスして、日頃の疲れを癒すのでした。
味覚、感性、更には足つぼまで刺激された、ローアーイーストでの1日でした。
おしまい(^_^)
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by kanagourmet | 2013-06-06 07:28