AGO ~Art Gallery of Ontario~②

AGOの2階はカナダ国外ではほとんど見かけることがない、カナダ美術が展示されています。
カナダ美術って・・・?私は初めて鑑賞しましたが、一言で言うと「雪のアート」です。

前の日記で記述したKenneth Thomson氏のカナダ美術コレクションがこちらに展示されており、名もなき画家たちが、雪深いカナダで生活してきた先住民たちの生活を伝えています。
どれも19世紀に描かれた絵画です。ほのぼのとした農民の生活を描いたものばかりで、鑑賞しながらちょっと笑ってしまうのでした。
「こんなに薪を持っ帰らなきゃいけないのかよ?」「今日は安くしておくよ、兄さん」なんてやり取りをしているのでしょうか。
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家の前の角でそりがスリップしてみんな横転してしまいました。 d0235123_6111331.jpg
「早く帰っていらっしゃい!」ってお母さんが怒っています。d0235123_633344.jpg
飲み会終了後に居酒屋の出口で酔っぱらった人たちがうろうろする様子は日本と同じですね(笑)
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農民の表情がとても豊かに出ています。拡大してみると・・・
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私はこういう日常のひとコマを優しいタッチで描いた絵画が大好きです。
それにしてもすべての絵画が雪に覆われていますね。

やがて19世紀後半から20世紀にかけてカナダ人の画家たちはパリに留学をし、印象派絵画を身に付けるようになります。そして著名なカナダ人画家7名が集まって、Group of Sevenという画派が生まれます。これは1920年~1933年までカナダの自然を描いた画家たちののグループで、フランスの印象派の影響を強く受けているため、画風がそれらととても良く似ています。
この7名の画家たちの絵が、こちらの美術館に展示されています。d0235123_6423373.jpgd0235123_6424773.jpg
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館内はこんなパリのサロン風に絵画が飾られたお部屋もあり、とても素敵です。
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そして木製の螺旋階段を登り最上階まで行くと、カナダの現代アートが鑑賞できます。
いくつかあった作品の中で、印象に残ったのはこちらです。
Christine Pflug "With the Black Flag"
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この作品を見てすぐに気がつくのですが、カナダの国旗が通常赤のところを黒く塗られています。
クリスティンはドイツ生まれの画家でパリでデザインの勉強をし、そこで知り合った男性と結婚し、カナダのトロントに移住してきます。彼女はもともと引きこもり気がある性格で、毎日2人の娘と家の中で過ごし、窓から眺めた風景を描いていました。この作品を見ているとクリスティンと一緒に窓から外を眺めているようです。
彼女の絵画の中で「窓」は重要な意味を成しており、外界と内界、公私を分ける境界線でした。そして日々子育てをしながらも人生の孤独や挫折感などを感じており、異国での生活にも絶望感きたしていました。そしてこういった自分の誰にもぶつけられない感情をにカナダの国旗を黒く塗ることによって表現しています。

残念ながら彼女はこの作品を描いた翌年、トロントの湖畔で自ら命を絶っています。36歳の若さでした。

さて、2時間程度に渡るAGOの鑑賞もそろそろ閉館時間が近づいてきました。業務終了後の束の間の自己学習の時間でした。すごく楽しかったです!
雪が降る中、クリスティンの心の闇は何だったのかを考えながら帰路につくのでした。

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by kanagourmet | 2013-03-04 01:52